こんにちは!Kenです。
本日もちょっとだけ日々を豊かにする、『厳選ビジネス洋書』をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、Carl Richards 著
『The One-Page Financial Plan : A Simple Way To Be Smart About Your Money』 です。
本書は、パーソナルファイナンス分野の中でも、
『豊かに生きるための家計管理法』について扱った書籍になります。
家計の計画を立てることは、面倒に思われがちですが、
本書に紹介されている方法を使えば、
非常にシンプルに、A4用紙1枚で計画を立てることができます。
「お金のことばかり考えたくない。」
「心を豊かに生きていきたい。」
そんなあなたがシンプルに家計の計画を立て、
将来のダウンサイドを避けて、
大切なことにお金を使えるようになるための、
ガツガツしてない爽やかな内容となっています。
著者のカール氏は、
人に経済的アドバイスを送ることと、
絵を書くことが得意な人です。
彼は、過去20年間ファイナンシャルアドバイザーとして、
ウェルズファーゴや、メリルリンチなどの著名な銀行で働いてきました。
そして彼の経験を凝縮したものが、本書『The One-Page Financial Plan』です。
プランの立て方や、家計用のバランスシートの作り方は、本書で彼のイラストを見ながら学んでいただくとして、
今回は、本書で学んだ次の3つの教えについてご紹介します。
①ゴールは設定しても、常に柔軟であること。
②予算管理をゲーム化してしまい、貯蓄を楽しめるようにすること。
③負債の支払いは将来への投資だと考えること。
それでは、早速見ていきましょう。
①明確なゴールを定め、一方で、柔軟であること。
まず、20年前の携帯について考えてみましょう。
当時は誰も、一人一台スマホを持って、
どこからでもインターネットを使える時代が来るなんて想像ができませんでした。
家計の観点から言えば、通信費は現在よりも格段に大きな枠を占めていました。
現在では、格安SIMを使えば、
月数千円で誰でもスマホが使える時代になっています。
誰も、こんな未来を予測できなかったのです。
将来、何が生じるか、
そしてそれが家計にどんな影響を与えるかは、
予測することができません。
よって、明確な計画を立てる一方で、
予期せぬ事態への心の余裕を残しておきましょう。
例えば、あなたが3年以内に、500万円の奨学金を完済する計画を立てたとします。
計画に固執するのも悪くはありませんが、
例えば、あなたが乗っている車を事故でお釈迦にしてしまい、
買い替えが必要になった場合、必然的に目標達成が難しくなります。
計画に固執していると、こういった事態に対して、
大きな精神的ダメージを受けてしまいます。
よってあくまで計画は立てても、常に柔軟に考え、
仮に3年間で300万しか返済できなかったとしても、
それでも尚、よくやったと自分を褒めるようにしましょう。
結論:一番大切なのは、心の豊かさです。
予測できない未来に翻弄されても、
まあ、そんなこともあると、柔軟に構え、
計画のうまく行っている部分を褒めるようにしましょう。
②予算管理をゲームと捉え、貯蓄を楽しみましょう。
予算管理と聞くと、生活が窮屈になってしまうように感じるのは私だけでしょうか?
もし、あなたもそうなら、考え方を変える必要があると著者は述べています。
予算管理は、あなたの目標や価値観から現在の状況がどのように乖離しているのかを捉えて、
そのギャップを埋めていくゲームだと考えようと言うのです。
私たちは、
「今年は海外旅行したいね。」
「そうだ。ハワイ行こう。」
なんて会話を頻繁にしますが。
現実として、収入の多くを日々の娯楽や外食に使ってしまい、
ついぞ、ハワイに行くことは成しえません。
すなわち、目標と実際の行動とにギャップがあるわけです。
このギャップの克服を楽しんでいこうということです。
具体的には次のように予算管理をしていきます。
まず、固定費のリストを作ることから始め、
月の支出目標に近づくために、削減できるところはないかを探していきます。
ちなみに固定費とは、毎月一定でかかるコストのことで、
例えば、家賃や通信費、保険代などです。
食費などの変動費と比べて、一度設定してしまえばあとは、
オートパイロットで節約できます。
次に、ちょっとした節約チャレンジをはじめます。
例えば、5日中3日は自転車通勤したり、
外食を2週間に1回にしたり、
映画館に足を運ぶ回数を減らしたりします。
ただ、減らすだけではつらいので、
減らすことではなく、
その結果新たにチャレンジできることにフォーカスします。
例えば、
ロードバイクを趣味にしてしまうことや、
自炊の質を上げること、
映画の代わりに図書館で小説を読んでみることなど、
より主体的にギャップを埋めるプロセスを楽しんでみるのです。
結論:削減に伴う欠乏感を、主体的にその状況を楽しんでみることで克服しましょう。
③負債の返済は、未来の自分への投資だと考える。
住宅ローン、自動車ローン、カードローン、、、
負債の返済が支出の大部分を占めていることはよくあります。
もし、あなたがそんな状況であれば、
利率が高い負債から順に返済していくことをリチャード氏はオススメしています。
利率の高い負債はあなたの想像よりも早いスピードで利息が増加していきます。
複利を敵に回してしまっている状況です。
それでは、あなたが心からしたいことをするためのお金も貯まりません。
だからこそ、
利率の高い負債から取り除くことには価値があるのです。
逆に負債を増やし、更なる利息を支払う状況にあなたを貶める決断をするということは、
あなたが後に達成したい目標に対して、NOと言い、
その他の雑事にYESと言っていることになります。
※ 当然、あなたの目標が家を買うことや、車を買うことの場合に、
現在のような低金利下でローンを組んで買うことを、
非難している訳ではありません。
むしろ賢いなと思っています。
あなたの現在の経済状況は、
あなたが過去にしてきた1つ1つの決断の集積です。
現在、満足のいく状況であれば、あなたにとって良い決断を積み重ねてきたのでしょうし、
何かが違うなら、今後、1つ1つの決断に意識的になる必要があります。
決して金の亡者になる必要はありませんが、
自分の目標や価値観に対して、最適な決断ができるようになることは、
今後の人生において、価値があると思います。
結論:負債の返済は高い利率のものからです。
また、経済的決断の前には、必ず自分の目標や価値観に沿っているか考えましょう。
まとめ
まとめになりますが、本書では、
ややこしいファイナンスの話抜きに、
素敵なイラストで、わかりやすく家計管理、計画の方法を解説されています。
今回ご紹介した内容の他にも、
1つのシンプルなバランスシートで未来の家計状況を設計する方法。
大雑把なやり方が、貯蓄には役に立たないのはなぜか?
科学者のような投資へのアプローチがうまくいくのはなぜか?
フィナンシャルアドバイザーの前に、家計について相談すべき相手は誰か?
などを学ぶことができます。
万が一、あなたが今、
現在の家計状況を気に入っていないのであれば、
本書を一読され、状況を整理し、
あなたの目標からして、
今後どんな決断をしていくべきなのか明確にすることをオススメいたします。