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インデックス投資よりも期待値が高いのに、 シンプル過ぎて好かれない株式投資法

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インデックス投資よりも期待値が高いのに、 シンプル過ぎて好かれない株式投資法

 

こんにちは!Kenです。

本日もちょっとだけ日々を豊かにする、『厳選ビジネス洋書』をご紹介していきます。

今回ご紹介するのは、Joel Greenblatt著

『The Little Book That Beats the Market』 です。

本書では、機械的に株式市場に投資して、

長期的に大きなリターンを得るためのシンプルな方法が解説されています。

著者のジョエル・グリーンブラット氏は自身の投資会社Gotham Fundsで、

1986年から2006年の20年間に渡り、

40%を超える年間リターンを実現してきた伝説的投資家です。

彼はベンジャミン・グレアム氏のバリュー投資に習い、

優れた企業を割安な値段で購入し、

市場の歪みが修正するのを待って売却する投資方法で、

利益を上げてきました。

米国でベストセラーとなった本書は、

彼が5人の子供に捧げる一生物のプレゼントとして執筆した本です。

彼は自身の6歳〜15歳の子供達が理解できるくらいシンプルで、

それでいて、将来お金に困らないだけ稼ぐことができるような方法の伝授を試みました。

本書で紹介される株式売買のルールは、『マジック・フォーミュラ』と呼ばれています。

なんだか怪しい名前ですが、

実際に行う事は、本来価値からして割安な株を見つけて、

一定期間ホールドし、損切り、利益確定を機械的に行う手法で、

日本の手数料の高い投資信託を買うよりは、

格段に期待値が高い本質的な投資方法です。

今回は、マジックフォーミュラの3つのポイントをご紹介していきます。

①Earnings Yield(益回り=一株あたり純利益/株価)と、  Return On Capital (資本利益率=税引後利益/資本)で企業の有望度を評価する。

ジョエル氏のマジックフォーミュラは、2つの指標を拠り所としています。

それはEarnings Yield (益回り)と、Return On Capital(資本利益率)です。

ちょっと、これだけ聞いてもややこしく感じてしまうと思いますが、

実はさほど難しい事ではありません。

一つ目のEarnings Yield(益回り)は、

現在、ある企業に投資すると投資金額に対して、

どれほどの利益を得ることができそうかについて分かる指標です。

開示されている直近1年間の純利益を現在の時価総額で割ることで、求めることができます。

例えば、昨年1株あたり、

85円稼いだ企業の株価が現在1700円なら、

85円を1700円で割って、

Earnings Yield(益回り)5%だと分かります。

これが意味しているのは、

現在この株に100円投資する毎に、

5円のリターンを期待できそうだという事です。

また、同じく昨年1株あたり85円稼いだ企業で、

株価が1000円なら、

Earnings Yield 8.5%

株価が2000円なら、

Earnings Yield 4.25%

となります。

つまり、Earnings Yield (益回り) は、

株価が割安であるほど高く、

割高であるほど低くなる数値になります。

二つ目の数字Return On Capital (ROC :資本利益率)は、

企業の昨年の税引後利益を、

投下資本の簿価(有利子負債+株主資本)で割ったものです。

このROC(資本利益率)によって、

あなたが投資したお金を使い、

企業がどの程度効率的に利益を生み出せているかが分かります。

例えば、企業が投資家や銀行から資金調達した5000万円を新しい製鉄プラントに投資して、

初年度2000万円の税引後利益が挙げられたとします。

するとROCは、

2000万➗5000万で40%となります。

資本効率が高いということは、つまり稼ぐ力の高い会社だということです。

稼ぐ力の低い企業と高い企業なら、誰もが高い企業に投資したいと思いますから、

ROCが高いほど、人気になり、つまりは株価の上昇可能性が高まると言えます。

ジョン氏は25%以上のROCが望ましいとしています。

ちなみに、ROEやROAを参考にしない理由は、

ROEの場合だと有利子負債で資金調達し、

自社株買いするという企業の本質的価値とはあまり関係のないところで、

数値を調整できてしまうことと、

ROAの場合だと、事業用負債を分母に含めてしまい、

サプライヤーとの交渉力を含むことができないという難点があるためです。

例えば、AmazonやApple、日本ではユニクロなどは、

買掛け金を事業用負債としてプールできる期間が長く、

その分の潤沢なキャッシュフローを投資に回すことができるという、

事業場の強みがあります。

ROCの場合は、事業用負債を含めない、

有利子負債と株主資本の総和(投下資本)で税引後利益を割ったものであるため、

上記の2つのような弱点を克服し、より企業価値が反映しやすいというメリットがあります。

Earnings Yieldで割安だと分かっても、

割安株投資の場合、市場に割安だという評価が修正されない限り、

投資家は利益を確定することができません。

いわゆる割安だと思って買ったものの、

一向に株価は上がらず、

塩漬け状態になってしまったなんてことが起きるのです。

そこでROCを見て、資本効率が高い企業であれば、

近い将来に市場から注目を集め、

割安評価が修正されることが期待できます。

だからこそ、上記の2つの指標でどちらも好成績を取る必要があるのです。

②上記2つの指標で1つのランキング表を作り、投資対象を定める。

投資判断に利用する数値を理解したところで、

計算を行っていきます。

例えば、ニューヨーク市場やナスダック市場では、

3500社もの企業の株式に投資することができます。

また、日本には3836社の上場企業が存在しています。

投資対象にしたい国の企業全てを計算していきます。

次に、Earnings Yield、ROCそれぞれでランクをつけたリストを作り、順位を足し算して1つの表に集約します。

例えば、ある会社がEarnings Yieldで1位で、ROCで154位だった場合には、

トータルで155ptとします。

このポイントの少ない方から順に並べると、

有望度の高い順のリストができます。

いやいや、リスト作成面倒すぎない?

と思われるかもしれませんが、実際のところ米国株式については、

https://www.magicformulainvesting.com/

というサイトで、自動で計算ができるようになっております。

また、より細かなルールがいくつか存在しており、

例えば、時価総額50億円以上にスクリーニングし、

金融、インフラ株、米国企業以外の株を除いた方がブレが少なくなるそうです。

詳しくは本書をご参照ください。

次に、この有望株リストの上位から、月2〜3社ずつ購入していき、

20〜30社のポートフォリオになるまで続けます。

それぞれの株式は購入から1年経ったら、

負け組株を1年間経つ1週間前に売り、

勝ち組株を1週間後に売ります。

損小利大を実現するためのルールです。

スプレッドシートで購入月を管理する必要があるのが、

少々面倒な部分ではありますね。

しかし、

もし、あなたが100万円を1988年に米国株に投資し

上記の方法で運用していたら、

リーマン・ショック後の2009年には、

あなたの100万円は1億円になっていました。

ドットコムバブルの崩壊や、

金融危機を経て、21年間で100倍ですから素晴らしい結果だと思います。

※本書の試算に対して取引コストの見積もりが甘いという指摘もあります。

ただし、取引コストを差し引いた投資収益においても、

S&P指数に投資した場合と比較して5〜8%上回る結果になっています。

いずれにせよ、NISA口座などを利用し、

税金や取引手数料を最小化することは何にどう投資するにせよ重要です。

③忍耐強く、株式の潜在価値が市場に評価されるまで待つ。

21年間で資産を100倍にした実績のある本質をついた方法なのに、

なぜ、みんなやらないのでしょうか?

それは、

あまりにも 『つまらない投資法』 だからです。

上記の売買方法に従うと、

大幅なアップダウンに一喜一憂することもなければ、

関連業界に対する深い理解から繰り出される自分の銘柄選択術に惚れ惚れすることもありません。

しかも一度購入したら一年間は放置しなければならないのです!

もっと最悪なのは、平均して4年に1度は市場平均を下回り、

時には2年間連続で下回ることもあるということです。

ただ、繰り返しますが、長期的には勝率が非常に高い方法です。

なぜか?

それは機械的にではありますが、

やっていることは、毎回毎回、

資本効率が極めて高いにも関わらず割安に放置されている株式を、

有望な順から20〜30社選んでホールドし、

市場の修正を気長に待つという本格的なバリュー株投資だからです。

しかも、もっとも難しい損切りと、利益確定のタイミングにルールを設けることで、

手法の再現性を高めることに成功しています。

さらに、

1度購入したら1年間売買をしないこの手法は、

ファンドマネジャーや、ファイナンシャルアドバイザーには使えない、

個人の我々だけが使える優位性のある戦略です。

なぜなら、

クライアントが長期的な利益ではなく毎年の利益を追求するため、

ほとんどのアナリスト達は、

短期的な利益を上げる戦略に固執しなければならないからです。

先日ご紹介した『The One-Page Financial Plan』で、

著者のカール・リチャード氏は、

投資において最も厳しい問題は、

一度良い投資計画を立案したら、

その後は一定期間放置しなければならないことだ。

と述べていました。

投資先をあれこれいじくりまわしたり、

判断に主観を交えたいという欲求は誰しも持っているものです。

よって賢明なるあなたがすべきことは、

短期的な利益を求めて強欲になることではありません。

規律を保ち、主観を排して淡々と取り組めば、

100万円から始めて、

20年後には億万長者になっていることでしょう。

まとめ

以上まとめになりますが、

本書で紹介される投資手法は、

本質的で成果も十分あげているのにも関わらず、

手がかからな過ぎるが故に、好まれない方法でもあります。

ただ、

もし、あなたが現在、

将来に対する漠然とした不安を抱えつつも、

「お金の事ばかり考えるのは人生の損失、バカバカしい。」

「お金なんかよりももっと重要な対象に時間とエネルギーを注ぎたい。」

というお考えをお持ちなのであれば、

今回ご紹介した手法があなたに合っているかもしれません。

余剰資金を捨ててしまうくらいの気持ちで、

毎月たったの2時間だけ、

機械的に本手法に取り組んでみると、

時の経過と共にお金に対する漠然とした不安を消し去り、

より明朗に人生が歩めるようになるかもしれません。

翻訳版を読んでみる。

  • この記事を書いた人

Ken

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