こんにちは!Kenです。
本日もちょっとだけ日々を豊かにする、『厳選ビジネス洋書』をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、Benjamin Graham 著
『The Intelligent Investor』 です。
本書はバリュー投資の源流とも呼べる本です。
バリュー投資とは、
現在のマーケット状況を無視し、
高い潜在価値のある企業を選び、
長期を見据えて投資することで、
安定的に企業成長の果実を享受する投資法のことです。
著者のベンジャミン・グレアム氏は、
おそらく、20世紀において最も有名な投資家の1人です。
同氏は貧しい生い立ちから、
コロンビア大学の優秀生となり、
卒業後はウォールストリートで投資家としてのキャリアを開始しました。
彼の最も大きな功績は、ウォーレン・バフェット氏のメンターとなったことです。
世界最高の投資家とされるウォーレン・バフェット氏は、
グレアム氏から直接学んだ、バリュー投資の原則を礎に、
年平均20%の年間複利成長率を叩き出してきました。
本書についても、投資本の中で最良の本だと述べています。
本書は非常に多くの事実から、仔細に投資方法を分析しているのですが、
中でも、投資を始める上で役に立つ次の3つのエッセンスについて今回は解説していきます。
①賢明なる投資の3原則。
②決してMr. マーケットを追わないこと。
③ドル・コスト平均法を活用すること。
では、早速見ていきましょう。
Contents
①賢明なる投資のための3原則とは?
結論から言うと、
①長期を見据えて分析すること。
②損失を回避すること。
③クレイジーな利益を追わないこと。
の三つです。
①長期を見据えて分析すること。
賢明なる投資家は、
現在の市場価格が、本質的な価値からして安すぎる、
そして、その価格の差が長期的には是正される可能性のある企業に投資をします。
企業が辿ってきた歴史や、その企業がもつ本質的価値、マネジメントの優秀さを分析し、
今後、長期間に渡って本質的価値が毀損されないかを見極めます。
②損失を回避すること。
賢明なる投資家は、真に優れた少数の企業の中でも、
現在の価格と本質的な価格に大きな差がある企業に絞って投資をすることで、
損失を回避します。
現在価格と、本来の価格の差を安全域(Margin of safty)とグレアム氏は呼び、
安全域が一定以上なければ投資しないというルールを設けるように勧めています。
そんな彼の弟子、ウォーレン・バフェット氏の投資に関するルールは次の2つです。
ルール①:決してお金を減らさないこと。
ルール②:ルール①を決して忘れないこと。
誰にも次のFacebookを当てることはできません。
一方で、誰しも、損失を回避することはできます。
③クレイジーな利益を追わないこと。
賢明なる投資家は、決して、クレイジーな利益を求めません。https://youtu.be/yBzrVjAKmLw
その代わりに、一定のリターンを求めます。
1年で2倍や3倍にすることを目指すのではなく、
毎年、投下資本の10%〜15%のリターンを得ることを求めるのです。
結論:賢明なる投資のためには、長期を見据えて企業価値を分析し、
損失を避け、(安全域を確保し、)
年10〜15%のリターンを求めましょう。
②Mr.マーケットを決して信頼しないこと。
グレアム氏の、最も有名なアナロジーは、
『Mr..Market』という表現です。
毎日毎日、多様な株式を多様な値段で提示してくる、
市場全体の動きを、
落ち着きのない一人の男性に例えています。
グレアム氏のアドバイスは、
完全にMr. マーケットを無視してしまうことです。
なぜか?
それは、Mr..マーケットが信頼できる相手ではないからです。
総じて、市場は予測できない動きをし、
雰囲気で大きな乱高下を繰り返します。
例えば、新しいIphoneがリリースされる前は、
株価は高騰し、人々は、アップルストアを前に列をなしていました。
しかし、一度リリースされた新たなIphoneが、
予想していたほどの質ではないと分かると、
翌日には株価が急落したのです。
人間である私たちは、パターン認識が得意です。
しかし、得意であるがゆえに、パターンなど存在しないところに、
パターンを見出してしまいます。
例えば、
私たちは、10日間連続で上がり続けた株式は、
今後も上昇するだろうと考えてしまいますが、
それは全くもって正しくありません。
もしあなたが、賢明なる投資家になりたいのであれば、
自分で行った徹底的な調査から分かった企業の本質的価値のみを信頼し、
市場の動向は無視してしまいましょう。
③ドル・コスト平均法を使うこと。
投資の感情的なストレスから自由になるために、
『Formula Investing』を活用せよ。
とグレアム氏は述べています。
これは広く使われている言葉で表現するところの、
『ドル・コスト平均法』です。
これが意味するのは、毎月、あるいは、
毎四半期の投資に使える固定予算を設定して、
自分が選定した銘柄を価格に関係なく一定額を買いましていくという戦略です。
例えば、収入の10%を毎月投資すると決め、
自分が選定した少数の銘柄を淡々と買いましていくのです。
マーケットに提示されている、
刻々と変化していく価格を無視することは、
人によっては難しいことだと思います。
しかし、一度その壁を乗り越えることができれば、
ドル・コスト平均法は、損失から身を守るために非常に良い方法です。
例えば、これまで貯めに貯めてきた虎の子の貯金を、
一気に投資したら、
翌日に大暴落が来て、
1日で半額になってしまった、なんて事態を防ぐことができるからです。
まとめ
まとめになりますが、本書は、
バリュー投資について理解を深めたい場合に読むべき、肉厚の一冊になっています。
今回ご紹介した内容の他にも、
・企業の潜在的価値の見極め方
・積極的投資家と、保守的投資家の違い。
・ポートフォリオアロケーションの考え方。
などなど、細かな知恵がたくさん記載されています。
万が一、あなたが今、
「個別株への投資スキルを高めたい。」
と思われている場合、ぜひご一読されることをオススメいたします。
古い本ですが、何がしかの気づきがあるはずです。